この件が解決して終わった後でも、支障のない嘘を探さないと。

頭、一気にフル回転。



「伶士、おまえに相当惚れ込んでいたはずなのに、何故急に他の女に?!しかもあんな白昼堂々と!気が触れたとしか思えん!」

「いや、それは…」

本当に気が触れてんだよ。あの女の…恐らく【傀儡】という魅了の術式で。

だなんて、スズチカに言えるわけもなく。

「クソーっ!イケメンうらやま!受け入れ先多いからイイ女選び放題だもんな!なずぽよに飽きたら次の女か!…伶士はイケメンだからって、そんなヤツじゃないと思っていたのにぃぃぃっ!誠意ある一途な男だと思っていたのにぃぃぃっ!」

「………」

っつーか、うるせえぞ。

私は今、おまえにどんな嘘をつこうか考えてるというのに、横でデカい声で雄叫びあげられちゃ敵わん!

ヨーテリも!スズチカに賛同してワンワンワンワン…吠えまくるな!

姿認識されてないくせに、意気投合するな!



あまりの煩さに鼓膜がどうにかなりそうになっていたが。

そこでまた一人。

お馴染みが姿を現した。



「スズチカ!自主練どうなってんのよ!……おりゃ。なずぽ?」