「神威さんが動いてくれるとなると助かるよ。この地を管理するの、陰陽師だけでは限界あるから」



この北の大地は、陰陽師の管轄の配置人員が少ない。総本山とだいぶ離れているため、どうしてもそこに人数を割くと今度は総本山の守りが手薄となってしまう。

なので、この地が戦いの舞台となると、どうしても陰陽師以外の組織の力を借りざるを得ない。



「さてさてさて、その戦いですが…先日の剣軌くんの予想ドンピシャ大成功ミッションで敵さん削ってだいたい絞りましたよ?恐らく、半人半魔はリグ・ヴェーダ、大石明生ただ一人でしょう。後はだいたい魔界からスカウトしてきた魔族さんたちです」

「半人半魔はヤツだけか…」

「しかし『夢殿』を狙う目的はわからず仕舞いですけどね。その夢見の能力を欲しているのか、はたまた目的は別にあるのか…」

「………」



ヤツのことを考えると、決まって頭に過ぎることがある。



《何だ?…何だ何だ?!…悪者である僕たちを滅ぼして!この世界を救う正義の味方にでもなったつもりか?!あぁ?!》