だが、思い出して夢心地でいたのに。

最後には、彼女の最期が映し出されて、後味悪く目が醒める。

悪夢だ。まるで、現実はこうだと思い知らされているようだ。

頭上の晴天が憎たらしい。







ーーー当時、『事変』という、人間たちが勝手に名付けた戦乱の最中だった。



魔族を召喚して自分自身の体の一部を差し出し、代わりに『魔力』という兵器のように簡単に人を殺せる力を得られる『半人半魔契約』というものが、若者を中心に、ここ札幌で流行していた。

それによって、契約に成功した『半人半魔』達が集まり、一つの軍のようなものを作る。

我らの理こそが正しいと、どこかの誰かが調子に乗って声をあげたことから【マントラ】と名付けられた。



【マントラ】の目的は、この世界に魔族を呼び込み、この世界から人間を排除すること。



この世界に対して不満を持つ者、人間に恨みがあるもの、力を得たことによるただの承認欲求などなど、各々によって理由は違うだろうが。

しかし、その目的を達成するにあたって、邪魔をする者が立ちはだかる。



陰陽師大和総本山の陰陽師と【神童】らだ。