「王の嫁問題の上に、阿修羅王領の海岸線あたりがちょっときな臭い感じがするんだ。これは竜族、ちょっと大忙しの予感…」
「そうなんだ。黄龍も体に気を付けてね」
「ああ」
ガーディアンの世界もきな臭い事情ある?…いや、この世界とは違って、戦は普通にある世界なんだろうな。
と、思っていたら。
その会話を横で聞いている豹牙の顰め顔が気になってしまった。
「は?きな粉臭い?」
黄龍が嫌ぁーな顔をする。
「…きな臭い、だ!…きな粉の匂い、問題か?!きな粉の匂いで何で大忙しなんだ?!」
「えー。便所とかで、きな粉の匂いしたらビックリするだろ」
「おーまーえーな!確かに便所できな粉大福食ってるヤツそのものは軽く問題かもしんねえけど!…いやいやいや、そんな事はどうでもいいわ!…天界のきな臭い事情、おまえ帝弟殿下なんだから、ちょっとは目を向けてくんないかなぁ?!なのにきな粉?!…うちの王が文句言いたくなるのもわかるわ!」
「きな粉臭いに敏感にならない事がそんなに怒ることか?まあ、言われたからにはきな粉の匂いに敏感になってやるけど?」
「…きな粉じゃねえ!きな臭い!語源、紙や布が燃える匂い!」



