キミと、光さす方へ

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家に戻ってからもやる気がでなくて、仰向けにベッドに寝転んでぼーっと天井を眺めていた。


松本くんは顔にも足にも怪我をしていた。


今日休んだのはきっとそのせいだろう。


きっと、服の下にはもっと沢山の傷がついていることだろう。


そう思うと、また胸が痛んだ。


あたしはゴロリと寝返りを打つ。


松本くんがどれだけ傷ついていても、あたしにできることはなにもない。


支えてあげたいなんて考えてみても、きっと松本くんはそれを必要としないから。


「なんでこんなに気になるんだろう」


何度もベッドの上で寝返りを繰り返して呟く。


愛想も悪いし、ほとんど会話もしないし、何を考えているのかわからないくらい無表情。


どれだけあたしが松本くんに似ていると感じても、それも幻かもしれない。


それなら彼のことなんて気にしなければいいだけだ。


似ていると思ったのはただの勘違い。


そう割り切って日常に戻ればいいのに……あたしの頭にはいつまでもスウェット姿の松本くんが鎮座しているのだった。