キミと、光さす方へ

☆☆☆

昼になっても天気はいいままだった。


太陽の光が教室内に差し込んで、窓辺の席では少し暑いくらいだろう。


そう思い、あたしはチラリと視線を向ける。


そこには友人たちとお弁当を囲んでいる勇人の姿があった。


勇人は友人たちとおかずを交換しながら食べているみたいで、時折楽しそうな笑い声が聞こえてくる。


あたしはその声から逃げるように立ち上がった。


「琴江、どこに行くの?」


お弁当箱を取り出した泉に声をかけられる。


「中庭で食べようかと思って」


咄嗟に嘘をついた。


しかし泉は目を輝かせる。


「いいね、そうしよう!」


泉はそう言うとさっそくお弁当箱を持って立ちあがった。


そんな気はなかったのだけれど、仕方がない。


本当は太陽の当たる場所で食べたくはなかったが、中庭のベンチは空いていた。