キミと、光さす方へ

「松本のやつ、なにも言わずに帰るしさ」


そう言われて廊下へ視線を向けると、そこにはもう松本くんの姿はなかった。


「ほら、行くぞ。勝手に1人で帰るなよ?」


勇人は強引にあたしの腕を掴み、歩き始める。


一旦は振り払おうと思ったけれど、できなかった。


勇人はきっとあたしのことを大切に思ってくれている。


だからこそ、こうして1人で放課後残っていることも気にしてくれているんだ。


松本くんにはキツイ調子だったけれど、それも相手を考えての行動だということがわかった。


現に、松本くんの靴探しは勇人が一番頑張っていた。


「わかった。待ってる」


あたしはバスケ部の更衣室の前で、勇人へ向けてそう言ったのだった。