キミと、光さす方へ

どうやら勇人は本気で怒っているようで、腰に手を当てている。


松本くんはただ黙って勇人の言葉を聞いている。


「ま、まぁ、靴があってよかったじゃん」


「それはそうだけどさ……」


勇人はまだなにか言いたそうな顔をしているけれど、あたしは強引に教室へ引き込んだ。


時計を確認してみると、もう6時近くになっている。


随分と長い時間靴探しをしていたのだと気がついて驚いた。


外は西日に包まれていて街はオレンジ色に輝いている。


「なんだよ部活終わっちゃったじゃん」


勇人はブツブツと文句を言っている。


あたしは出しっぱなしのノートをカバンに入れた。


「着替えてくるから一緒に帰ろうぜ」


「え、今日も?」


驚いて思わずそんな言い方をしてしまった。


「なんだよ、嫌か?」


「嫌じゃないけど……」


むしろ、勇人と一緒にいられることは嬉しい。


でも、嬉しければ嬉しいほど、あたしの胸の中には澱が溜まっていく。


重たくて、二度と抜け出すことのできない澱が……。