キミと、光さす方へ

悲しくて、悔しくて。


だから陰のままなんだと感じた。


でもここがいい。


ここにいれば、あたしが傷つかなくて済むと知っているから。


やがてあたしは空へ向けて手を伸ばすことはやめた。


伸ばしても意味がないから。


届かないから。


だから……。


赤い屋根を見つめて、あたしはその場に崩れおちた。


意識が遠のいていく。


あたしは自分の家に届くことすらできない。


そんな自分が情けなくて。


だけどそうやって自分のことを守っていることもしっていて。


ここから動くためのすべもなくて……。


そう思っていた時だった。


不意に、フワリと体が浮き上がった。


驚き、一瞬意識が覚醒される。


目の前に勇人の顔があった。


あたしはそれを見上げる格好だ。


勇人は真剣な表情で前方を見つめて歩いている。


それに合わせてあたしのからだも揺れる。


あたし、勇人にお姫様抱っこをされてるんじゃ……?


そう気がついた次の瞬間、あたしの意識は暗転していた。