キミと、光さす方へ

☆☆☆

翌日になり、あたしは自転車をこいで学校へ向かった。


こうして風を感じるのは10年ぶりのことだった。


少し動悸がするけれど、それでも我ながら運転は上手なものだった。


そう、あたしはもともと自転車が好きだった。


あの時からそれは変わっていなかったみたいだ。


駐輪場に自転車を置いて、B組へ向かう。


途中で勇人を見つけたので、後ろから声をかけた。


「昨日はごめんね」


「いや、俺は全然平気。うまく行ったか?」


その質問にあたしは頷いた。


本当に勇人には助けてもらいっぱなしだ。


「それでね勇人、あたしが今までずっと話せなかったことを、聞いてほしいの」


遊園地での約束を今果たすのだ。


勇人は困ったように頭をかく。


「そっか。それを聞いても俺、もう告白はできないんだよなぁ」


「ご、ごめんね……」


「いや、それでもいいよ、聞きたい」


あたしは頷く。


そして10年前のあの事故について話し始めたのだった。