キミと、光さす方へ

俺が松本を呼び出してボコボコにしても、その返事は変わらなかった。


河原で松本が気絶する前に、俺は話しを聞いた。


「本当に人殺しなのか?」


と。


すると松本は、当時のことを俺に話してくれた。


自転車で坂道を下っていた。


その勢いがつきずぎて、小さな子が乗った自転車を跳ね飛ばしてしまったのだと。


相手の子供はそのまま死んでしまった。


自分が殺した……。


その話を聞いて驚いた。


そして思い出したんだ。


当時、俺の友人の中に松本直哉という人間がいたことを。


父親が蒸発してからすぐに安アパートに引っ越してしまったから、すっかりその存在を忘れていたのだ。


これが、松本……?


目の前にいる松本は俺の記憶の中の松本とは別人だった。


幼い俺たちはいつでも元気に走り回り、笑い声が絶えなかったはずだ。


でも今の松本はずっと重たい影を背負って生きているように見えた。