キミと、光さす方へ

なかなかいい人間は見つからない。


同い年で、裏社会にどっぷりつかれて、なおかつ男に忠実な人間だ。


そんなことをしているうちに、ある噂話が耳に入った。


天城高校に人殺しが転校してきた……。


こいつだと思った。


俺は組の力を使って相手の名前や住所を調べ上げた。


名前は松本直哉。


母子家庭で、母親は昼はスーパー、夜はコンビニで働いている。


その情報を見た瞬間、幼いころの自分の姿とだぶって見えた。


こいつも俺と同じように苦しんでいるのか。


もしかしたら、ひとりぼっちなのか……。


そうして、俺は松本直哉に的を絞って接触したのだ。


でも、結果はさんざんだった。


どれだけ甘い誘いをちらつかせても松本は首を縦には振らなかった。


挙句の果てに「俺は人殺しのままでいい」なんて言いやがる。