キミと、光さす方へ

俺を組織の一員にするために、ずっと家に入り浸っていたのだ。


そのためか男は俺がどれだけ悪さをしても責めなかった。


小学校にあがってから同級生の家に無断で立ち入り、貯金箱のお金を盗んでも。


中学校にあがってタバコや酒を覚えても。


それを歓迎するように俺の成長を見ていた。


母親は時々俺を叱ってきたが、それでも男になだめられるとすぐに静かになった。


今この男に出ていかれたら自分たちの生活がままならなくなる。


そのくらい、母親も俺もその男にどっぷりつかってしまっていたのだ。


そして中学3年生のころだった。


「受験なんてやめとけ。俺が面倒みてやる」


男はいつも通り俺の家に入り浸り、そう言ったのだ。


「おじさんと一緒に働くの?」


俺ももう中学生だ。


相手がどんな仕事をしているのか理解していた。


「あぁ。お前は俺の片腕になれ」