キミと、光さす方へ

「どうしたの2人とも?」


なにかよくないことがあったんだろうかという予感があった。


落ち付かない気分でテーブルを挟み2人と向かい合って座る。


「琴江、この前男の子と遊園地にいたそうだな」


お父さんが重たい口を開く。


「え、うん。行ったけど?」


あたしは首をかしげて答える。


きっと直哉とのデートのことを言っているのだろう。


もしかして男女交際について言われるのかな?


と思ったが、両親ともそれほど硬い人間じゃない。


勇人が家に来たときなんてお母さんはどこか嬉しそうにしていたし。


「お父さんの知り合いが、2人を見たと言っている」


「そうなんだ?」


あたしは瞬きをして言う。


お父さんは一体なにが言いたいんだろう?


あたしは別にデートしたことを隠してもいない。


それなのに部屋の空気はだんだん重たくなってきていた。


「男の子と交際することが悪いんじゃないのよ」


お母さんが軽くフォローするように横から口を出した。


「じゃあなに?」


ますますわからなくて首をかしげる。


言いたいことがあるなら、ハッキリと言ってほしかった。