キミと、光さす方へ

直哉は学校にも連絡を入れずに無断欠席をしていたようだ。


なんだか嫌な予感が胸をよぎって、あたしは慌てて鞄を持って教室からかけだした。


連絡もないなら、直接本人に会って確かめるしかない。


あんな話を聞いてあたしに幻滅したのだとしても、それはそれでちゃんと伝えてほしかった。


このまま逃げるなんて卑怯だよ……!


せっかく掴んだ幸せ。


直哉と別れるなんて今は考えることができない。


それでも直哉が嫌だというなら、あたしはそれを受け入れる覚悟をするべきだった。


あたしは直哉の幸せを願っているから……。


走ってアパートの前までやってくると、あたしは手鏡を取り出して髪の毛をセットした。


深呼吸をして階段を上がり、201号室の前で立ち止まる。


チャイムを鳴らすと中からゴトゴトという物音が聞こえてきた。


あたしは背筋を伸ばして直哉が出てくるのを待った。