キミと、光さす方へ

☆☆☆

翌日。


B組の教室へ入ってもまだ直哉は来ていなかった。


「おはよう琴江」


「おはよう泉」


挨拶を交わして席につくと、スマホを取り出して直哉にメッセージを送った。


《琴江:体調大丈夫?》


きっと、またすぐに返事が来るだろう。


そう思っていたのに、直哉からの返事は放課後になっても来なかった。


それに、直哉自身も登校してこなかったのだ。


「先生」


あたしは終わりのホームルームを終えて教室を出ていく先生に声をかけて引きとめた。


「なんですか?」


「あの、なお……松本くんなんですけど、今日は体調が悪くて休んだんですか?」


その質問に先生は困ったように首をかしげた。


「それがね、連絡がないからわからないのよ」


「え?」


「仲村さんこそ、なにか知らない?」


聞かれてあたしは左右に首を振った。


「そう。明日は来てくれるといいわね」


先生はそう言うと教室を出て行ってしまった。