キミと、光さす方へ

そのくらい、あたしは自分のことをそっちのけにしてきたんだろう。


そして約束場所へ到着したとき、私服姿の直哉はすでにそこで待っていてくれた。


背が高くてスタイルがいいため、通りすがりの人たちがチラチラと直哉のことを見ているのがわかった。


嫉妬しそうになる気持ちを抑えて、直哉に近づいて行く。


緊張で手と足が一緒に出てしまいそうだ。


「可愛いね」


開口一番にそう言われてあたしは固まってしまった。


「あ、ありがとう」


そう答えながらも、頭から湯気が出そうだった。


それから2人でバスに乗り、遊園地まで移動した。


休日ということもあり、やはり入場ゲートには沢山の人たちが並んでいる。


「直哉がいれば迷子にならなくていいね」


「どういうこと?」


「だって、誰よりも背が高いでしょう?」


パッと見回してみても、直哉より背の高い人はいない。