キミと、光さす方へ

☆☆☆

ね、眠れなかった……。


デート当日の日曜日はあっという間にやってきた。


自分から誘っておいて、緊張しすぎてほとんど眠ることはできなかった。


勇人とデートは経験しているのに、直哉が相手になっただけでこれほど変わるものなのだとビックリしている。


まだ時間には余裕があったけれど、顔を洗って念入りに化粧をした。


普段化粧なんて全然しないから、化粧道具も慌てて買ってきたのだ。


泉と2人で化粧品売り場へ行った時は、こんなにも沢山の種類があるのだと驚いた。


どの商品もキラキラと輝いていて見えて、自分が購入してもいいのかどうか悩んだくらいだ。


そんなとき、泉があれこれ手にとって教えてくれた。


これが化粧下地で、これがファンデーション。


つける順番はわかる?


そう言ってまるで自分のことのように嬉しそうにしていた。


派手になりすぎないように気を付けて化粧をして、昨日のうちに選んでおいた薄いピンク色のワンピースを着る。


鏡の前に立ってみると、これが自分かとみまがうほどだった。