キミと、光さす方へ

☆☆☆

それからあたしと直哉は少しずつ距離を縮めていった。


クラスの女子たちになにか言われるかもしれないと警戒していたが、今のとことそんなこともない。


転校してきた直哉を一番気にかけていたのがあたしだから、みんなどこか納得したような雰囲気だった。


「今度、遊園地に行かない?」


ある日の放課後、一緒に帰路を歩きながらあたしは勇気を出してそう言った。


「遊園地?」


「う、うん。チケットを貰ったの」


「遊園地か……いつぶりだろうなぁ」


直哉は空を見上げて考え込む。


「そんなに昔なの?」


「あぁ。もうほとんど覚えてないな。まだお父さんがいた頃だった」


「そうなんだ」


なんだかしんみりした雰囲気になりそうだったので、あたしはすぐに話題を変えた。