キミと、光さす方へ

ついうつむいてしまいそうになるのをどうにか我慢して「な、直哉」と、小さな声で呟いた。


その瞬間、松本くんがほほ笑んだ。


頬に小さなエクボができてとてもかわいらしい。


その笑顔は転校してきた頃には想像もつかないものだった。


「琴江」


松本くん……直哉はこともなげにあたしの名前を呼ぶ。


しかしその顔はほんのりと赤く染まっている。


「あぁ~! いいなぁお前ら!」


勇人が大声をあげてもだえるように言ったのだった。