キミと、光さす方へ

☆☆☆

翌日。


あたしは緊張しながら教室へと入って行った。


教室中央の机へと視線を向けるけれど、まだ松本くんは登校してきていないみたいだ。


「おはよう琴江。お菓子作りは上手くいったの?」


泉に声をかけられてあたしは自分の席にカバンを置いた。


中からグリーンの袋に入れられたクッキーを取り出して泉の机の上に置く。


「食べてみて」


真剣にそう言うと、泉がパッとほほ笑んだ。


「頑張ったんだね。いい匂いがしてる」


そう言って嬉しそうに紙袋を開ける泉。


クッキーとひとつ取り出し、そして笑顔を消した。


「え、これってなに?」


首をかしげて聞く泉が持っているのは猫の形をしたクッキーだ。


「猫だよ」


「ね、猫? 宇宙人かと思った……」


製作者であるあたしには猫に見えるけれど、やっぱりそうは見えないみたいでガッカリしてしまう。


お母さんと同じことを言わなくてもいいのに……。