キミと、光さす方へ

「それなら、手作りのものをあげるとかどう?」


泉にそう言われてあたしは自分のお弁当に視線を落とした。


毎日お母さんが作ってくれていて、時々自分でも作るお弁当。


でも松本くんはどうなんだろう?


お母さんは働きに出ているだろうし、お弁当を作る時間はないのかもしれない。


一回図書館でパンを食べているのを見たことがあるし。


「手作りかぁ……。でもあたし自信ないなぁ」


小さく呟く。


手作りのものは料理だけとは言わない。


でも、それ以外にもらって嬉しいものってなんだろう?


ぬいぐるみを作ってみるとか。


巾着を縫ってみても、きっと必要ない。


手作りのもので思い浮かんでくるのは、やっぱり食べ物が一番最初だった。


「手初めにクッキーとかどう?」


あたしの気持ちを察したように泉が言った。


「クッキーかぁ」


それなら何度か作ったことがあった。


あまり外出しないあたしを心配して、お母さんが一緒に作ろうと誘ってくれたのだ。


でも、人に食べてもらったことはない。