キミと、光さす方へ

☆☆☆

勇人に告白されても、そしてそれを断っても、あたしたちの関係は変わらなかった。


気まずくなるかと不安だったけれど、勇人はいつも通り話しかけてきてくれる。


それはすごく幸せなことだった。


「でも、本当に松本くんは手ごわいと思うよ?」


昼休憩中、中庭で一緒にお弁当食べていた泉が不意に言った。


「うん。そうだよね」


あたしは甘い卵焼きを口に入れて頷く。


あれから事件についても調べ続けているけれど、やはりそれらしいものは見つからない。


正当な記事を探しても犯人の名前は掲載されていないから、そろそろ調べ方を変えた方がいいかもしれないと思っていたところだ。


かと言っても、本当に松本くんが人殺しだとも思っていなかった。


きっとなにか事情があって松本くんは自分のことそう言っているのだと、信じている部分もある。


「松本くんって母子家庭だったよね?」


「うん、そうだよ」


あたしは簡素な暮らしを思い出す。


本当に必要最低限のものしか置かれていなかった部屋。


それは生活の苦しさを物語っているようにも感じられた。