キミと、光さす方へ

「もしそうなら、保健室の場所を教えてあげないといけない」


泉が慌てて立ちあがったので、あたしも反射的に席を立っていた。


松本くんのことは放っておいた方がいいよ。


そう声をかける前にずんずん歩いて教室の中央まで移動する。


あたしは仕方なく泉について行った。


「松本くん、もしかして体調が悪い?」


泉はよく通る声で言った。


クラスメートたちがこちらへ視線を向けて、様子を見守っている。


松本くんは少し驚いたように身を引く。


しかし、その表情はイマイチわからない。


やっぱり、前髪で目が隠れているせいだ。


どこを見ているのかわからないとなんだか不安になってくる。


あたしは自分の体を両手で抱きしめた。


「保健室の場所教えようか?」


松本くんはまたうつむいてしまった。