キミと、光さす方へ

無自覚だっただけに、急に恥ずかしさがこみ上げてくる。


コホンッと軽く咳払いをする。


バレているのなら、遠慮することはないと思いなおすことにした。


《琴江:松本くんのことをもっと知りたいと思うんだけど、どうすればいいかな?》


《泉:う~ん。普通なら仲良くなるにつれて自然と分かっていくけど、松本くんが開いてじゃちょっと難しそうだよね》


「だ、だよね……」


だからこそ困っているのだ。


松本くんは転校してきてもう一ヶ月以上経過しているけれど、今だに仲のいい友人を作っていない。


それ所か、烈と一緒にいたことがクラスにバレて余計に孤立している。


イジメがなくなったのは良かったと思っているけれど、事態はあまり変わっていないのだ。