キミと、光さす方へ

でも、いざ松本くんのことが好きなのだと自覚しても、そこから先どうすればいいかわからなかった。


なにせそう言うことからは自分から逃げてきたのだ。


松本くんのそばにいたいとか、もっと松本くんのことを知りたいとか、そういう感情はちゃんと持っている。


この気持ちを落ち着かせるための方法を知りたかった。


《琴江:泉、もう寝た?》


《泉:起きてるよ、どうしたの?》


泉からの返事はすぐに来た。


こういうときに頼りにしてしまうのは、やっぱり泉だった。


というか、あたしが仲良くしているのは泉しかいないから、そうなってしまうんだけど。


《琴江:あのさ、聞きにくい質問なんだけど》


《泉:松本くんのこと?》


すぐにそう聞かれて驚き、ベッドの上でむせてしまった。


「な、なんでわかるんだろう」


どうにか咳を収めて気持ちを落ち着かせる。


《琴江:なんでわかるの?》


疑問をそのままぶつけてみた。


《泉:え? だって松本くんのことずっと見てたじゃん。わかるよ》


あたし、そんなにわかりやすかったんだ……。