キミと、光さす方へ

☆☆☆

放課後になるのは普段よりも早かった。


「じゃあ、頑張ってね」


泉があたしの肩を叩いて教室から出ていく。


あたしは深呼吸をして教科書とノートと鞄に入れていく。


「今日は勉強はしなくていいのか?」


勇人が近付いてきてそう声をかけてきた。


「うん。だって今日は一緒に帰るでしょ?」


「そうだけど、琴江の予定に合わせるぞ? 俺は琴江と長くいられた方が嬉しいし」


なんてことないようにそう言う勇人に、こちらが恥ずかしくなってくる。


でもそれは嬉しい申し出だった。


今はまさに帰宅ラッシュで、とても外へ出られそうにはないから。


「じゃあ、30分だけ」


あたしは勇人の行為に甘えて、鞄にしまった教科書を取り出したのだった。