キミと、光さす方へ

「いつか勇人に打ち明けるとしてさぁ」


「うん」


「その時勇人はあたしのことが嫌いになるかな?」


その質問に泉は左右に首を振った。


「それはないよ。勇人はそんな人じゃない」


あたしは頷く。


そうだよね。


あたしも知っていたはずだ。


勇人はあたしの過去を知っても、とがめることはない。


むしろ、あの大きな手で抱きしめてくれるだろう。


でも、と、あたしの視界に松本くんが入る。


その瞬間心臓がドクンッと大きく跳ねた。


勇人に頼るのはただの甘えじゃないだろうか。


本当にそれでいいんだろうか。


泉はきっとあたしと勇人がうまくいくことを望んでいる。


そしてお母さんもきっと同じ気持ちでいる。


みんなにとっての幸せは、あたしと勇人が2人で幸せになること。


あたしも、勇人と一緒にいられれば誰よりも幸せになる自信があった。