キミと、光さす方へ

2人でひと気のない渡り廊下まで移動してきて、あたしはようやく足を止めた。


「なに?」


松本くんは相変わらずな口調で聞く。


「あ、あのね。今朝公園で、その、見ちゃって」


「あぁ……」


松本くんは小さく頷いた。


「松本くんは烈と知り合いなの?」


その質問に左右に首をふる。


「いや、今朝初めて声をかけられたんだ。相手はずっと俺を探してたみたいだけど」


「烈が松本くんを?」


やっぱり、嫌な予感がする。


烈が自分から誰かを探すなんて、相手を裏の道へ連れ込もうとしているようにしか思えない。


「俺の噂を知って、探してたらしい」


「そ、それで?」


あたしは自分の声が上ずるのを感じていた。