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松本くんが教室に入ってきたのは2時間目の授業が終わってからだった。


今までなにをしてたんだろう。


ずっと烈と話をしていたんだろうか。


「どうしたの琴江、ずっと松本くんのこと気にして」


泉に言われてあたしは慌てて視線をそらせた。


つい、ジッと見てしまっていたみたいだ。


「別に、なんでもないよ」


あたしは取り繕った笑顔を浮かべる。


「なんか最近ぼーっとしてないか?」


勇人が心配そうにあたしの顔を覗き込んでいた。


その至近距離に一瞬ドキッと……。


え?


あたしは目をパチクリさせて目の前の勇人を見つめた。


え、どうして?


疑問が胸に浮かんでくる。


キョトンとした顔になっていること間違いなしだ。