「だ、だって、勇人はみんなの人気者だし……」
「人気者とは恋愛しちゃいけないいっていうの?」
強い口調で言われてあたしは黙り込んでしまった。
恋愛しちゃいけないなんて思っていない。
ただ、あたしと勇人の間には壁がある。
誰にも見えない壁だ。
それはもちろん、泉にだって見ることができない。
だから一見、あたしと勇人は上手くいきそうに見えているだけなんだ。
「琴江っていつもそうだよねぇ」
不意にやわらかな口調に戻って泉が言った。
見ると、泉は今度は呆れ顔になっている。
あたしは泉を怒らせたり、呆れさせたりと忙しいみたいだ。
全然、そんな自覚はないんだけど……。
「いつもそうって、何が?」
あたしは最後のおかずを口に入れて、お弁当箱を閉じながら聞いた。
「目の前に大きな幸せがあるのに、絶対に自分からは手を伸ばさない」
泉はそう言って空へ向けて手を伸ばした。
「人気者とは恋愛しちゃいけないいっていうの?」
強い口調で言われてあたしは黙り込んでしまった。
恋愛しちゃいけないなんて思っていない。
ただ、あたしと勇人の間には壁がある。
誰にも見えない壁だ。
それはもちろん、泉にだって見ることができない。
だから一見、あたしと勇人は上手くいきそうに見えているだけなんだ。
「琴江っていつもそうだよねぇ」
不意にやわらかな口調に戻って泉が言った。
見ると、泉は今度は呆れ顔になっている。
あたしは泉を怒らせたり、呆れさせたりと忙しいみたいだ。
全然、そんな自覚はないんだけど……。
「いつもそうって、何が?」
あたしは最後のおかずを口に入れて、お弁当箱を閉じながら聞いた。
「目の前に大きな幸せがあるのに、絶対に自分からは手を伸ばさない」
泉はそう言って空へ向けて手を伸ばした。



