キミと、光さす方へ

といっても、見られてマズイ内容の手紙を授業中に回すことはないから大丈夫だけど。


「お前ら、あんなどうでもいい内容の手紙回してんのかよ」


始めてあたしと泉の手紙を見た勇人が呆れたように声をかけてきたのが始まりだった。


「そんなものだよ」


あたしは勇人の反応にちょっと驚きながらもそう答えた。


他の子たちだって、きっとあたしや泉とそんなに変わらない。


つまらない授業を少しでも楽しくするためにやっているのだから。


「よし、じゃあ今度は俺も手紙に参加してやるよ!」


「は? なに言ってるの?」


驚くあたしと泉を横目に、勇人は本当に手紙に参加してきた。


『腹減ったなー』とか『先生の似顔絵』とか。


勇人が書いた手紙には必ず妙なイラストがついた。


最初は泉とのやりとりを邪魔されている気分だったけれど、勇人の変なイラストを見ている内にだんだん楽しくなってきた。