キミと、光さす方へ

きらびやかな遊園地は灰色に染まり、あたしはポツンと1人で立っている。


あたしは楽しんじゃいけない。


あたしは幸せになっちゃいけない。


なのに、どうしてこんなところに来てしまったんだろう。


わかっていたはずなのに、勇人に手を握り締められて舞い上がってしまったんだろうか。


「何を考えてる?」


暗い気持ちになったとき、勇人がそう声をかけてきた。


「え、あ……ううん。なんでもない」


あたしは左右に首を振る。


でも、もうこれ以上楽しむことはできなかった。


心の中のもう1人の自分が怒るから。


許されないことだと、あたしを攻めるから。


「琴江って、ときどき考えてることがわからないよな」


その言葉に返事ができなかった。


きっと勇人も呆れているのだろう。


せっかくここまでやってきたのに素直に楽しめないあたしを見て、嫌いになったかもしれない。