キミと、光さす方へ

最後に遊園地に来たのはいつだったろう?


小学校低学年のころだっけ?


それからも両親は何度もあたしを遊園地に誘ってくれた。


だけどあたしは断ってきたのだ。


家でテレビを見ている方が好きだから。


家で本を読みたいから。


そう言って。


思い出すと、両親の切ない表情も一緒に思い出してしまって切ない気持になった。


あの頃のあたしは今よりもずっと自分を制御していた気がする。


あれもダメ。


これもダメ。


そんな資格はあたしにはないからと。


だけど高校生になって、勇人と出会ってほんの少しだけど自分を解き放つことができた気がする。