【完】黒薔薇の渇愛





バカは言いすぎだと思うんですけど……。


なんて、ツッコむ勇気は残ってない。



てか、奏子!!


桜木のコロコロ変わる表情と雰囲気のせいで
本来の目的を忘れていた。


倒れている奏子の方に顔を向けようとするけど
桜木に頬を掴まれ、無理矢理彼と目を合わせられる。



「よそ見なんかしちゃダメでしょー?
 俺の女が他の男見るなんて、おもしろくなーい」


「……っ、いい加減にして。
 助けてくれたことには感謝してるけど。
 そんな冗談に、もう付き合ってくれなくていいから」


「……ハッ、おめでたい頭。
 俺が君を助けたなんて、どう解釈すればそう思えるのかな」


「……」


「俺、獲物とられることが一番大嫌いなの。
 火炎のメンバーが、君が。
 俺の獲物同士で俺の獲物の取り合いするのやめてくれる?」


「……っ」


「って思ったけど。
 君は一番、俺には理解し難い行動をして見せるから、そうだなぁ……今までの中で一番おもしろい獲物かもしれない」


「……」


「天音ちゃんに振り回されるのは、なんとなーくだけど……好きだよ、俺」