【完】黒薔薇の渇愛






スマホをタップして通話を切る桜木。


その目がこちらに向いたとき、ビクッとまた肩が跳ねた。



「ごーめんね天音ちゃんのこと放置しちゃって~。」


「……いや、そんなことより。
 なんですかね、あの会話の内容」


「んー?なにがぁ」


とぼけた振りをする桜木が欠伸をしながら伸びをする。


「電話のお相手に、なんだか私があなたをもっ……求めてるみたいな言い方して」


「あー雪ちゃん?」


「雪……ちゃん?」


「天音ちゃんも倉庫で雪ちゃんと会ってるよ。
 金髪で黒マスクの」


容姿の特徴を言われると、『雪ちゃん』の姿形が思い浮かぶ。


その人もカッコいい顔してたなぁ……。


マスクで半分顔隠れてたけど。