【完】黒薔薇の渇愛






怖くて、足がすくんで。


それから、何をどうすればいいか分からない。


後先考えてないと不安なの。


もし失敗したら、今度こそ自分が壊れちゃうんじゃないかって。


「……っ」


また、涙がでてきた。


そんな私を見て、桜木のイライラはピークに達したのか
立ち上がり、ベッドの上に座る私に向かって屈んだ。



「……とりあえず、やられた分。
 これでチャラにしといてあげる」


「あっ!?」


チリッと首筋に鈍い痛みが走る。


桜木が私から離れた瞬間、桜木に噛まれたのだと理解した。



「やっぱり噛んでも美味しくなーい」



桜木という男は、やっぱりよく分からない。


本当にこの男はあの時、私を抱くつもりでいた。

私が大人しくしていれば、桜木は快感を得られたはずなのに。
それに抵抗しろだなんて……おかしな話。


けっして優しくはない。


私に対して情けなんかあるはずもない。


なのに桜木は、私を抱かなかった。


それは桜木が言う通り
私が抵抗したから今この瞬間助かってるってことで……いいのかな?
 

でもあの時は必死だったからできたことで。
同姓のいじめっ子相手に抗えるかって聞かれたら、話しは別だ。



……やっぱり私は、全然強くなんかなってない。