「初めて?」
ちゅっ、と。耳元でわざとらしくリップ音を鳴らした後、桜木は囁くように聞いてきた。
こくりと素直に頷く。
「そう……じゃあ俺の、なけなしの情として優しく抱いてあげる」
「……」
「ぜんぶ見せてあげる。
絶望も快楽も、その先もーー。
君の初めてが俺だってことも。
ちゃんと全部記憶に刻んで離れないようにしてあげるからね。」
ぶちぶちと、自分のシャツのボタンを力任せに引きちぎる桜木は口角を上げ私を見下していた。
そして、私に顔を近づけると
そのまま唇を奪う。
「……っ、ん」
漏れる吐息に、きっと顔は紅潮している。
口の中を侵略されて、頭がボーッとしてきたとき
攻めをやめない桜木の手は私の頬を撫でる。
「可愛くない女だと思ってたけど、訂正してあげるね天音ちゃん」
「……」
「すっごく可愛いよ」
「ーーッ」


