【完】黒薔薇の渇愛










「桜木……っ!」


倉庫の裏から中に入ると、二重扉になっており。

開けた二回目、勢いよく入ったのはいいものの
桜木が金髪の男……哲を締め上げてる場面に遭遇し、顔をしかめる。


桜木の足下で林が伸びきっていた。



「……なんで天音ちゃんここにいんの」


眉間にシワを寄せる桜木に、怯んでしまう。


でも。


桜木を止めなきゃ、何のためにここに居るのか分からない。




「その人……離してあげてよ」


情けをかける私を、桜木が意味分かんなそうに見つめてくる。

  

「はあ?……天音ちゃん、こいつに自分がされた事ちゃんと分かってる?」


「……分かってるよ」


「分かってねーだろ」


「……っ」