【完】黒薔薇の渇愛






けど。


「大地さんが今一番会いたいのって、天音ちゃんや天音ちゃんの家族だろうからね。」



少し掠れた落ち着いた声は、私なんかよりもずっとずっと先を行く大人のように感じた。


こんな時でさえドキッとしてしまう。


また、好きって思っちゃった……。


たまに見せる、桜木のこういうとこに毎回……グラグラきちゃうんだよなぁ~。



「わかった、今日は私ひとりで行くね。
 きっとお母さん、病室で待ってるだろうし。
 でも絶対……桜木とも行きたいな」


『じゃあ明日一緒に行っちゃうー?
 って、言いたいとこだけど。二人で行くと大地さんに叱られそうでヤなんだけど』


「どうして……?」


『だってあの人、天音ちゃんのこと溺愛してっからさー。
 天音ちゃん、多分俺のこと好きだってオーラ隠せないでしょー?
 そしたら俺が誑かしたって思われそうじゃん?』


「か……隠せるよ別に!」


『ふーん……本当かなー?』