【完】黒薔薇の渇愛





「あ、のね桔梗君。
 私香水(かすい)綾実(あやみ)
 よろしくね」


「どーも」


「えっと……これから家族になるわけだけど、私に嫌なところとかあったら言ってね」


「特にないかな、そこまで興味ないし」



俺がそういうと、綾実さんはオロオロと焦った表情を見せる。


母さんはそんな俺の隣で、目をギラつかせ
怒るのを我慢していた。



綾実さんは綺麗な人だった。


痩せ型のモデル体型。

色白で、全体的に薄いのに目だけは大きく、男が好きそうな女の顔をしている。



「ハハ、俺多分姉じゃなきゃ、あんたのこと抱けるわ」


「……っ」



男慣れしていないのか、ひとつ年下の男相手にすぐ顔が赤くなる。



チョロそう。


でもやっぱ、姉ってだけで、いくら好みのタイプでも萎えるな~。