【完】黒薔薇の渇愛





「再婚するなら勝手にしたら?母さんのこと、俺には関係ないから」


母さんだって、今まで俺のこと放置してたじゃん。


好き勝手しようがどうでもいいよ。
ただ、好きにすればいい。


俺もそうするから。



『ねえ、お願いよ桔梗。あなたの家族になる人なの』


「……人の話聞いてた?」


『あちらにもお子さんがいるの。あなたも挨拶しなきゃ失礼でしょ。
 お家にだって帰ってきたとき、見ず知らずの人にいきなり会うよりは、先に顔合わせしといた方がいいじゃない』



帰りたいなんて誰が言ったよ。


だけど、子供の自由には限度があって
誰かの家を転々としてる俺でも、一度は家に帰らないと着替えや学校に必要なものが揃わない。



どうしたって、母さんとの関係は切っても切れないものがある。



めんどくさいけど、まあ高校生になったら絶対一人暮らししてやるし。


もう少しの辛抱だと思ってりゃ、こんなもん苦じゃない。



「わかったよ、母さん」



返事をすると、久しぶりに聞いた母の声はまるで少女の様に無邪気だった。