【完】黒薔薇の渇愛





俺の人生に大地さんがプラスされて、余計楽しさが増えた。


このまま、俺にとっては平凡な日々が続けばいいと思った。


けど、そうもいかないみたいだ。



その日は共働きで親が夜遅くまで帰ってこない朱光の家で、漫画を読んでいたら。


ヴー、ヴー、と携帯のバイブ音がポケットの中で振動し始める。


こんな時間に連絡寄越す奴なんて、先輩か大地さんしかいなかったから
漫画を置いて、すぐに携帯の画面に目をやる。



すると。



「……はあ?」


思わず声が出る。


その声に反応して、朱光も雪ちゃんも俺を見た。



「どうしたんですか、桜木さん」


雪ちゃんが心配そうに聞いてくる。



「いや、母さんから」


「は?なんで」


母さんから連絡が来るなんて絶対にありえなかったから、朱光でさえ不思議がっている。