ーーが。
「うるせえ!邪魔だ!!」
赤い特攻服の男は、頭に血が上っているのか
手加減なしで女の私の手を振りほどいた。
そのせいで、「きゃ……!」と体のバランスを崩し、その場に尻もちをつく。
そんな私に目もくれず
白い特攻服の男にトドメの一撃を食らわせようとしたその時。
ーーガシッと、男の手首が掴まれる。
私の時とは違って、いくら力を加えようともその手は振りほどけないみたい。
赤い特攻服の男は意味が分からなさそうに苛立ちながら後ろを振り返ると
ギョッとした顔で、自分の手首を掴んでいる人間の顔を直視する。
「なーに天音ちゃんのこと、俺の許可なく傷つけてんの……?」
いつの間にか私の前に立っていた桜木は、軽く男の手首を捻る。
「い……っ!?」と、小さな悲鳴を男があげたところで桜木はパッと手を離し
何事も無かったかのように、私に手を差し出した。
その手を掴んで、ゆっくりと起き上がる。


