朱光さんが私に疑いの目を向けた時、一瞬その瞳に呑み込まれてしまうんじゃないかってくらいゾッとした。
だけど桜木は、どこか他人事の様な態度で
ピリピリと皮膚で感じる不安定な空気に物怖じせず、私の頭から顎を離し。
なにを思ったのか、今度は両手で私の頭を左右がっちりと掴んだ。
「ちょっ……なにっ!?」
「こーんな小さな頭で、なにかを企むことなんて出来るわけないでしょ。
ねぇー?天音ちゃん」
「へっ……えっ?うっ、うん?」
急に問いかけられ、考えるよりも先に口が勝手に返事をしていた。
すると、桜木は私の頭をわしゃわしゃと撫で始めるから、まるで犬扱いだ。
「なっ、なにするのっ!?
髪が乱れちゃうよ!」
「あー、怖かったね~天音ちゃん。
大丈夫大丈夫、朱光悪い子じゃないから許してあげてね」
「……」
許すもなにも、こんなとこに強制連行したのは桜木のくせに。
なんで私が朱光さんから目の敵にされないといけないんだろう……。


