「あー?雪ちゃん、オレオレ、俺だよ。
 なーんか殺されかけたけど、無事でしたってだけの報告~。
 火炎の雑魚狩りはもういいから、逢美の連中全員に帰って良しと伝えといて~」


『分かりました……って、殺されかけたってどういうことですか!?』


「じゃあね。」


『待っーー』


話の途中にも関わらず、一方的に電話を切る桜木と
報告をうけて通話が切れるまで焦ったような声をだす雪羽さん。


……ほんと適当だなこの人。



廃墟から出て、バイクで走ること数分。
夜の冷えた風に身震いしながら、走行途中で見つけた販売機の前で止まり

バイクの後ろに跨がったままの私に、桜木は温かいココア缶を渡してくれた。



「ほい」


「あっ、ありがとう」


「うん」


「……っ」