温もりが思い出に変わる頃【完】

「そういえば光里はまだ須藤温のこと好きなの?」
「そうそう、学生の時めっちゃ好きだったって言ってたじゃーん?」


だけど大丈夫。落ち込んだ時はまたあの時の須藤さんの温もりを思い出して、私は前を向いて歩いていこうって、改めてそう意気込んだばかりなのだから。
須藤さんからもらった思い出は、これから私が新しい人生を歩んでいくための糧だ。

友人の問いに、私は満面の笑みで答える。


「もちろんだよ」


カラン、とアイスティーの中の氷が揺れた。



【温もりが思い出に変わる頃】