温もりが思い出に変わる頃【完】

「そろそろ良いか?」


私が頷くと、須藤さんは自らの下着に手をかけた。
すっかり見慣れているそれではあるが、好きな人のものだと意識するとより一層情熱が昂ぶる。
今まで指以外のものを受け入れたことの無い場所に須藤さんのものが当てがわれる。
私はぐっと息を呑んだ。間もなくして私の入り口に、硬いものぐいぐいと押し込まれてくる。


「すまない。我慢してくれ」


ゆっくりと肉壁を割って多少強引ではあったけれど、その痛みすら愛おしく感じた。
痛みと同時に襲ってくる快楽の波が怖くなって、須藤さんの背中に回した手の爪を思わず立ててしまう。

こんな仕事についても、つまらない意地で守り続けてきた貞操。
そんな私の処女を貰ってくれた相手が須藤さんで本当に良かった。

何度も押し寄せる快楽に堪えながら作った私の苦痛混じりの笑顔を見て、須藤さんは参ったように苦笑いした。