「どうした千歳ー、最近元気ないっぽいぞー!店長!千歳が元気ないよー!」


一緒にシフトに入っていた真純が、お客さんがいないのを良いことにちょっかいを出してきた。
こんなこと言ったら怒られるかもしれないけど、真純は悩みがなさそうで良いな。
真純の呼びかけにより厨房から出てきた店長が口を開く。


「確かに菱沼さん元気無さそうだよね」
「え、店長にもそう見えてますか?」
「うん。なんだか疲れている感じがするよ」


やたらテンションの高い真純に言われると、そりゃ真純に比べれば私は静かだよねってなるけど、店長からもそう言われてしまうと少し焦る。
プライベートを仕事に持ち込むなって怒られちゃうかな。
まして接客業だし、こんなんじゃお客さんにも申し訳ないよ。

ますます暗いオーラを漂わせてしまった私を気遣ってか、


「息抜きも必要だし、クリスマスはシフト入れないでおいてあげるから、少し羽を伸ばしてきたらどうだい?」


店長がそんなことを提案してきた。