御曹司は魔法使い⁉︎ ② 〜私達、結婚式を挙げます!〜

けど、なんか長年付き合ってるカップルのはずなのに、拗らせてない?
突然遠距離恋愛になっちゃったから?
いや、根本的に、かなり前から誤解したまま年月が経っているような…


ピンホーン

「あ、ちょっと待ってね。
帰ってきたみたい。大丈夫、そのまま座ってて。」

ロックを外す。

「花〜!迎えに来て〜!」

「はいはい。」

柏餅を持って玄関に行くと、グズグズと泣いている仁貴をベビーカーから下ろそうとしている母がいた。

「ねぇ、誰か来ているの?」

「あ、うん。佐原さんに聞いた?
昇平の彼女なの。」

「あら、そうなのー。
ご挨拶しようかしら?」

「あ、んー。ちょっと込み入った話をしてて。後で話すから、今日は帰ってもらっていい?」

「……修羅場?」

「もうっ!何でそんなにカンがいいの?」

「あら。…フフフ。後で聞かせてね?」

「…わかった。
あ〜仁貴!会いたかったよ〜〜‼︎」

たった3時間離れていただけなのに、この温もりが愛おしい。

「この子、お腹空いてるわよ。」

「そっかー。お腹空いてるよね〜?
おっぱい飲もうね〜。
これ、松寿庵の柏餅。お父さんと食べて。」

「あら、気が利くわね。じゃあ、帰るわね。」

「うん。ありがとう。」


そうして、私は誤解を解いてくれるであろう、この愛らしい存在を抱っこして、リビングに戻った。